工務店倒産のため設計者だけに欠陥の責任を追及した事件【0932 NS邸事件】
相談内容(事案の概要)
鉄筋コンクリート造4階建の二世帯住宅の新築を計画して、設計事務所に1890万円で設計監理を依頼し、工事は建築士の実兄が経営する工務店に2億1000万円で発注した。
ところが、内装工事等の途中で約3か月工事が中断したうえ、工事再開後には劣悪な施工で、100項目近くの施工不良が発生した(特に和室の仕上不良が劣悪)。
工務店に補修を求めても対応が対応が鈍かったが、実は、引渡直後に、工務店は残代金500万円を設計事務所に債権譲渡したうえ民事再生申立(倒産)していた。
設計事務所から、設計監理費用500万円と工事残代金500万円の合計1000万円の請求があったため、弁護士委任。
弁護士としての対応
施工・構造・設備の各専門家に多角的に調査を依頼して、設計ミス・監理義務違反と言える欠陥について、設計事務所に3900万円の損害賠償請求の調停申立。
設計事務所側からは、未払金1000万円の請求調停申立。
解決内容
最終的に、未払金を差し引いたうえ、900万円の損害賠償を受けることで調停成立。
掲載文献など
- 『ふぉあすまいる№41』P27~