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施工不良で支払拒否したら追加代金請求された事件【0625 IS邸事件】

相談内容(事案の概要)

施主が、施工業者に、住宅新築工事を2200万円で発注して契約を締結し、1200万円を支払った。
ところが、内外装工事などで施工不良が多数見られたため、残金の支払を拒否したところ、施工業者から追加工事代金を含めて1240万円の請求訴訟が提起された事件。

弁護士としての対応

一般に、工事中に追加・変更工事が生じることはままあるが、変更契約が結ばれないまま、工事終了後に追加代金請求がされてトラブルになることが多い。
特に、施主が施工不良を指摘したら施工業者が追加代金を請求し始めた、というケースが少なからず見られる。
本件は、まさにその典型的なケースだった。

追加・変更工事のトラブルでは、次の各点を確認することが重要になる。
① 当初契約に含まれる工事内容か否か(追加・変更に該るか)
② 追加・変更工事が実際に施工されたか
③ 追加・変更工事について施主と施工業者の合意があるか
④ 追加・変更工事が有償であることの合意があるか

本件でも、建築士に欠陥調査を依頼し、それに基づく補修費等の損害賠償請求と並行して、追加変更工事代金請求について、契約書・設計図書・見積書等の資料検討とともに、詳細な経緯について施主から聴き取りを行った。

その結果、施主は追加工事が有償になると考えた時には見積書を要求して確認していた、という事実を、証拠書類と尋問で明らかにすることができた。

解決内容

判決では、追加工事代金について、施主が認めていた119万円以外は全て否定された。
また、請負残代金から未施工分を減額した上、欠陥について損害賠償請求720万円が認められた。

その結果、最終的に、257万円の支払義務を負うにとどまった(京都地裁平成23年10月14日判決)。

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