リフォーム業者と雨漏りの無償補修等で示談した事案【0897 MS邸事件】
相談内容(事案の概要)
リフォーム業者(大手ハウスメーカーの系列会社)に自宅の全面リフォーム工事を約2000万円で注文したところ、8年後、隣家の建替工事をきっかけに雨漏りが始まった。
隣家の建設業者等に苦情を申し入れたが、「もともとお宅の工事に施工不良があったのだ」と反論された。
そこで、リフォーム施工業者に補修を申し入れたが、「長年経過して原因不明なので有償対応になる」と言われた。
雨漏りの原因もわからず、困り果てて弁護士委任。
弁護士としての対応
まず、雨漏りの原因を特定するために、建築士に調査を依頼して散水試験をした結果、①屋根の下地材(アスファルト・ルーフィング)の施工不良、②以前に隣家と接していた部分の板金処理の施工不良など、8年前のリフォームの施工不良が原因と判明した。
調査結果を受け、施工業者に補修工事を請求するか、それとも補修費の金銭賠償を請求するか、依頼者と打合せ。それぞれのメリット・デメリットを説明して協議した結果、依頼者は補修工事の請求をすることを選択。
そこで、リフォーム施工業者と示談交渉。
解決内容
建築士にも協力してもらって補修の方法・範囲などについて交渉し、補修実施前に「補修等に関する合意書」を締結した。
その「合意書」の中で、①無償で補修工事を行う範囲と工事内容を取り決め、それのみならず、②補修後に散水試験を行い、その結果によっては更に補修を行うこと、③補修工事について数年間は保証すること、④その他の損害に関する賠償についても後日改めて協議すること、等について確約をとりつけた。
補修工事を実施させ、散水試験で問題ないことを確認した後、残る問題(上記④)として、建築士の調査・立会費用や慰謝料等を含めた賠償金について示談交渉をした結果、最終的に解決金160万円を支払ってもらうことで示談成立。